ハムスターが過ごしやすい適温は20℃〜28℃です。
野生では、温度変化の激しい砂漠に住んでいますが、決して温度変化に強い動物ではありません。
むしろ、寒さにも暑さにも弱い動物です。
砂漠では、二メートル以上もの巣穴を掘って、外界の温度変化の影響を受けづらい地下で暮らしているため、生きていくことができているのですね。
そこで、ハムスターを飼う場合には防寒、暑さ対策が必要になってきます。
特に冬場は、5℃以下の気温にななると、疑似冬眠してしまう可能性があるので、危険です。疑似冬眠に入ると、体力を急激に消耗し、死んでしまう恐れもあります。
ジャンガリアンは野生では雪の中で活動することもあり(このため冬になると白い毛に生え換わる個体がいる)、ハムスターの中でも寒さに強い種族ですが、油断しないようにしましょう。
疑似冬眠にならないようにハムスター用の温度計をケージ内に設置しておくと、ケージ内の気温が一目でわかるので安心です。
●エアコン・ストープ
部屋全体を均一に暖められるエアコンやストーブが最も効果的です。
ストーブのある部屋にケージを置いて、特に早朝や夜といった温度が下がる時間帯は、温かく過ごせるようにしてあげましょう。
●ペットヒーター
ケージの下に敷いてケージ全体を暖めるパネル型ペットヒーターがお勧めです。
これは人間で言う『床暖房』のようなものです。
あまり全体をカバーしすぎると、暑すぎた場合に逃げ場がなくなるため、半分くらいの面積を暖めるくらいのもので、ちょうど良いと思います。
ケージの底が厚かったり、床から浮いている場合は、熱が伝わりにくいので、ご注意ください。
また、ペットヒーターの下に発泡スチロールの板を敷くと保温性がアップするので、お勧めです。
寝床だけを暖めるハウス型のハムスター専用ヒーターもありますが、こちらは一か所だけを暖めるため、この中に避難するしかなくなります。
そのため、ハウス型のヒーターを設置しただけでは、運動したり、餌を食べに行ったりするときにハムちゃんが困ってしまいます。
結局、エアコンなどの根本的な防寒対策と併用することになり、あまりお勧めできません。
防水加工されていないタイプのものは、トイレの躾がされていない場合、電気系統が故障する危険性があります。
●水槽型ケージ・衣装ケース
金網型ケージはすきま風が入り込みやすく、冷える時は急激に温度が下がってしまいます。衣装ケース・水槽は、ある程度の保温効果があるので、冬場の住居として多少は安心できます。
●ケージの外側に毛布を被せる
補助的な保温対策として有効です。
しかし、これだけでは万全ではないので、毛布を被せただけで、他になにも防寒対策をしないと、ハムちゃんが疑似冬眠してしまう恐れがあります。
あくまで補助的な保温対策として考えてください。
また、ケージ全体を隙間なく覆って密封してしまうと、酸素が入ってこなくなって窒息してしまうので、穴を開けたりして、酸素の通り道を作ります。
●カイロ
ハウスの下に敷いて、使います。
齧られないように専用のケースに入れると良いです。
ただ、毎日交換する必要があり、結果的にペットヒーターを買うより高くついてしまうことが難点です。
●綿は使うべきではない ココアさんの意見
寒さ対策に「綿がなぜイケナイのか?」ですが……
飲み込んで腸閉塞(腸に異物が詰まること)を起こす事があります。
また、綿が足に絡まり、絡まった綿を取ろうとしてもがいて、更に絡まり、気づいた時には「足が壊死して切断せざるを得ない状態になっていた」という話もたくさん聞いてます。
もちろん、壊死する前に骨折する事が多いようですが。